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髪の基礎知識

知ってました?髪の毛は皮膚の一部が変化したものです
 髪は、女性にとってとても大切なもの。
朝、ヘアスタイルが決まると一日が気分よく始まるのに、逆に、まとまりが悪く納得のいかないヘアスタイルで出かけなければならないときなどは、すっきりしない気分になってしまう。そんな経験をお持ちの方は大勢いるはずです。
 髪の毛は、こうした外見上のイメージのためだけにあるのではありません。
そもそも髪の毛は体を覆う皮膚の一部です。
皮膚は表皮と真皮と脂肪層からなるというのはスキンケアの知識として知っている人もいると思いますが、厳密には、髪の毛は表皮から発生する皮膚の一部であり、私たちが日常生活を送る上で欠かせない役目を持っています。
たとえば体温が急激に低下するのを抑えてくれたり、紫外線の防止のため、ものが頭にぶつかったときにはクッションの役目として、その衝撃を軽減してくれたりなど。
そして、頭髪のトラブルは、隠れた病気のサインである場合もあります。

 

髮は新旧が入れ替わっているんです

 シャンプーやブラッシングをしたときに髪の毛は抜けます。
でも、髪の毛はなくなることがなく、一定の量を保っているます。
 髪の毛にも寿命があり、毛母細胞から生まれた髪の毛はどんどん成長していきますが、それもやがて寿命となり、自然と抜け落ちていきます。
人の髪の毛は10万本あるといわれていますが、1日に80本〜100本くらいは自然に抜けていくものなんです。
でも髪の毛がなくならないのは、次から次へと新しい髪の毛が生えてくるからです。
 このように髪の毛の一生には、古い髪の毛が抜け、新しい髪の毛が生えてくるというサイクルがあり、これをヘアサイクル(毛周期)といいます。
ヘアサイクルは、成長期、退行期、休止期の3つに分類されます。

 

女性の薄毛の原因はひとつではありません

 髪の毛の役目やヘアサイクルについてはわかったと思います。
では、女性の薄毛や抜け毛のメカニズムについて確認してみましょう。
 先ほど紹介したヘアサイクルからみると、「成長期が短くなって休止期にある毛の割合が増えれば薄毛になる?」と思われるかもしれません。
これは男性の薄毛の原因に限っていえば正確といえます。でも、女性の薄毛の原因にはそれとは異なるメカニズムがあるんです。
もちろん女性であっても年齢を重ねるに従い、退行期や休止期にある髪の毛の数は増えていき、薄毛の原因となります。
ですが、これ以外のさまざまな原因が重なって、薄毛が進行することが断然多いのです。
 下記のように、女性の薄毛を促進する要因は大きく6つあります。思いあたることはありませんか? 
これらが髪の毛のハリやコシをなくし、ボリュームのない髪の毛、つまり薄毛を作ってしまう原因となります。
薄毛を促進する6大要因

ホルモンバランスの乱れ

更年期になると、女性ホルモンなどが急激に減り、バランスが崩れる。髪の毛が細くなるのは、女性ホルモンが減少するため。

 

加齢

加齢に伴いヘアサイクルも変化。成長期が短くなるのは、加齢による影響が大きいとされる。髪のハリやコシなど髪質も悪化してきます。

 

頭皮トラブル

自分の髪の毛にあわないヘアケア用品の使用などは頭皮トラブルを招き、髪の毛が生える土壌となる頭皮に悪影響を及ぼします。

 

ストレス

仕事や人間関係、生活の変化によるストレスもホルモンバランスや血流に悪影響を与え、薄毛を進行させます。

 

過度なダイエット

極端な食事制限などによるダイエットをすると、髪の製造工場となる毛根部に必要な栄養や酸素がいき渡らなくなり、ミネラル摂取不足にもなり薄毛となります。

 

 

よくない生活習

睡眠不足、偏った食事、運動不足、喫煙といった生活習慣が、血行不良を招く。髪質や頭皮環境の悪化につながり、薄毛の原因になります。

 

 

髪の変化と女性ホルモンの関係

 「ハリやコシがなくなった」「パサつきやすくなった」「髪の毛が細くなった」などの女性の髪の加齢変化は、血流が悪くなることと合わせ、女性ホルモンのバランスが崩れることが一因とされます。
もちろん、これらがすべて薄毛へと直結するわけではありませんが、加齢に伴い髪の毛の状態がどう変化するのかを知っておくことは、頭髪チェックをする手助けとなります。
 さて、女性ホルモンでよく知られているのが、エストロゲンとプロゲステロン。女性らしい体つきを維持するためや、妊娠・出産に大きくかかわるホルモンです。
髪の毛を保持するために働くとされるのは、エストロゲンのほうです。
 女性ホルモンの分泌は20歳代がピーク。30歳を過ぎると徐々に減少し、45〜55歳の更年期に急激に下降を始めます。加齢に伴いホルモンバランスが崩れるにつれて、髪質にもさまざまな変化があらわれてくるのです。

 

20代
女性ホルモン分泌量の頂点に向かう20代は髪の状態も良好。髪のハリやコシ、量の多さはピーク。ただし、質や量には個人差があり、白髪がでてくる人も。
30代
徐々に髪の毛に波打ったようなうねりがでてくるように。これは髪が乾燥しやすくなり、空気中の水分を含んでしまうためで、指通りの悪さを感じることになります。
40〜50代
更年期前後には髪質が低下。閉経後にはそれが顕著になり、薄毛が目立ってくることもあります。また、白髪が目立って増える人もいます。
60代以降
髪の加齢変化は顕著になり、頭皮の乾燥が加速します。薄毛が気になり始める人もいるが、健常毛の状態をキープする人もいます。

 

 

女性ホルモンとは卵巣から分泌されるホルモンで、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があります。
その分泌量は30代を境に減少。これは避けられない加齢変化です。
更年期に急激に下降を始めます。加齢に伴いホルモンバランスが崩れるにつれて、髪質にもさまざまな変化があらわれてくるのです。

 

女性とは違う男性の薄毛原因

 男性と女性の薄毛の原因は異なると説明しましたが、男性の薄毛についても少し説明します。
男性の薄毛でもっとも多いのが、AGA(エージーエー)と呼ばれる男性型脱毛症。全国では約260万人はいるといわれています。
男性型脱毛症は、成人男性にみられる髪が薄くなった状態。DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンが、毛母細胞の増殖を抑えて髪の成長をストップさせてしまうのが原因です。
これにより、ヘアサイクルの成長期が短くなり、髪の毛が太く成長する前に抜けてしまうのです。その結果、細く短い毛が多くなり、全体的に薄毛が目立ってしまうというわけです。
AGAは進行性なので放置すると薄毛は進みますが、近年治療薬が登場し、改善効果が期待できるようになりました。
 女性の場合、閉経を迎えると女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンが優位に働く時期があります。この影響で男性型脱毛症がごくまれに女性に起こることもあります。

 

 

女性の抜け毛には6つのタイプがあります

 女性の薄毛は、男性型脱毛症のように特定の部位から髪の毛が後退するのと違い、頭髪全体が均等に脱毛していくのが特徴になります。
特に、髪の分け目が透けてみえるようになります。
これをびまん性脱毛症といい、病院に行く人はこのタイプが多くなります。
 また、妊娠から出産後にみられるのが分娩後脱毛症です。
分娩後脱毛症は、ホルモンバランスの著しい変動によって、一時期かなり抜け毛が目立ちますが、出産後1年から1年半ほどで、抜け毛の量はもとに戻るのが一般的です。
一般的には、1度目の出産後よりも、2度目の出産後のほうがもとに戻るための時間がかかるようです。これは加齢の要因が加わるためだと考えられます。
また、高齢出産などで体力の回復が遅い場合は、抜け毛の量がなかなか改善されないこともあります。
 ほかにも牽引性脱毛症など、いくつかのタイプがあります。

びまん性脱毛症

女性の薄毛でもっとも多いタイプ。生え際が後退するのではなく、頭髪全体が薄くなり、脱毛部分の境界がはっきりしない。原因は老化、ストレス、極端なダイエット、間違ったヘアケアなどさまざまです。

 

牽引性脱毛症

長期間、髪をきつく縛ることで頭皮の決まった部分に負担がかかり、その部分だけ抜け毛に。分け目や強く引っぱる部分に起こり、ポニーテール脱毛といわれることもあります。

 

脂漏性脱毛症

皮脂の過剰分泌により、頭皮に炎症が生じて起こる脱毛。対処法としては、脂質の少ない食生活に変える、正しいシャンプーを心がける、頭皮を清潔に保つなど。皮膚炎として診断された場合は保険診療になります。

 

分娩後脱毛症

妊娠後期には女性ホルモンが増加し抜け毛が減少。このときの頭髪は成長期を維持している状態。しかし、出産後のホルモンバランスの変動により、成長期を維持してきた毛髪が、一斉に休止期に入ってしまうため毛が抜ける。

 

円形脱毛症

自分の毛根を敵と勘違いしリンパ球が毛根を攻撃する自己免疫疾患の一種。ストレスとの関係がいわれることもあるが、科学的な根拠はいまのところありません。保険診療になるケースとならないケースがあります。

 

ひこう性脱毛症

フケが毛穴をふさぐことで炎症などが起き、髪が成長できなくなった状態。シャンプーのし過ぎによる皮脂のとり過ぎが大きな原因です。皮膚炎として診断された場合は保険診療の対象になります。

 

 

病気が抜け毛の原因になることもあります。

 女性の抜け毛は複数の要因が重なって起こりますが、病気が原因で抜け毛を誘発していることもあります。
この場合、個別のケースを見極めた上で髪の治療を並行して行う場合がありますが、基本的には原因となる病気を治すことを優先します。
 ですから、病院では治療前に必ず検査をして、ほかの病気が隠れていないかをしっかりチェックします。
女性の場合、抜け毛の原因がひとつに特定できないからこそ、病気の有無を調べることはとても大切なことなのです。
 抜け毛だけでなく、白髪も病気の自覚症状としてあらわれることがあります。
若いのに白髪が異常に多い、急激に白髪が増えてきたという場合は、隠れた病気がないかを調べることが大切です。
胃腸が弱い、貧血、甲状腺疾患がある人は注意が必要です。
 妊娠中や産後に増える白髪はあまり心配はいりません。
この時期はホルモンのバランスが崩れたり、胎児にカルシウムなどの栄養をとられたりすることが、白髪を招く大きな要因となるからです。

 

貧血

鉄分不足による貧血は、血液中の赤血球にあるヘモグロビン濃度が低下した状態。鉄分不足だと、髪へ十分な酸素や栄養素を運ぶことができず抜け毛につながります。健康な髪のためには一定の鉄分が必要になります。

 

甲状腺の働きの異常

甲状腺とは、喉仏の下にあって新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌している器官。
更年期の女性は男性に比べ、甲状腺の病気が多くみられ、それが原因で抜け毛になることもあります。

 

 

薬の副作用

抗がん剤のほか、精神科で使う向精神薬がある。
また、痛風や脂質異常症で使われる治療薬でも、抜け毛が発生することがあります。

 

婦人科系の病気

卵巣嚢腫など婦人科系疾患も抜け毛の原因。
また、生理周期の乱れは女性ホルモンがきちんと働いていなかったり、ホルモンバランスが崩れていたりする証拠。放置することは髪の健康にとってもよくないことです。

 

 

 

軽い円形脱毛症は治療の必要ありません。

薄毛の6つのタイプにもありますが、円形脱毛症という病名はとても有名です。
10円玉くらいの丸い形のハゲが1〜2か所にできるのが円形脱毛症と思っている方がいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
帯状にできる場合もありますし、頭部の何か所にもできることもあります。
特殊な例では、髪の毛だけではなく、眉毛やすね毛など体毛まで抜けてしまうこともあるのです。
円形脱毛症にもいくつかの種類がありますが、直径lcm程度の円形の脱毛がl〜2か所に起きる単発型といわれるタイプは、多くは治療しなくても治るとされます。
 円形脱毛症はストレスが原因のすべてといわれることも多いのですが、実際はそれだけで起こるものではありません。
原因に関してはまだすべて解明されているとはいえませんが、最近の研究で、ひどい円形脱毛症は自己免疫疾患であることがわかっています。
また、遺伝も関係しているとされます。
 治療ではステロイド剤が使われるのが一般的ですが、それ以外にも液体窒素、減感作療法などさまざま治療法があります。現在では、科学的根拠に基づいた治療を確立するため、円形脱毛症の治療ガイドラインも作成されています。